騒音に関する環境基準
投稿日:2014.11.25
近年の騒音に関わる環境基準は、環境省が平成24年3月30日に改定された基準値を元に定められています。住宅を造る際には、この基準値に従って設計し、テストされているのです。では、そんな騒音に関わる基準値はどのようなものなのでしょうか。ここでは環境省公布の「騒音に係る環境基準について」をご説明したいと思います。
騒音に係る環境基準とは
環境省は、生活環境の保全と健康の保護のために望ましい基準として「騒音に係る環境基準」を定めています。住宅メーカーはこの基準値を参考に遮音性を検査し、設計しています。
環境基準として一括りにまとめていますが、住宅の場所や家の形状・タイプ、そして時間帯によっても基準値が異なります。以下にそれぞれの違いについても説明していきます。
地域による基準値の違い
環境基準の数字は、地域によって異なります。
地域の分類は、AA、A、B、Cの4種に分かれています。
AAは「療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域」で、最も静穏にしなければならない場所です。Aは「専ら住居の用に供される地域」(一般的な住宅街が当てはまります)であり、朝晩はできるだけ静かな方がいい地域になります。
Bは「主として住居の用に供される地域」であり、多少、住宅以外の店舗や事務所が混在している場合は、Bの地域となります。
最後にCは「相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域」です。Cは最も基準が甘くなります。
さらに、この地域の中でも「A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域」や「B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及びC地域のうち車線を有する道路に面する地域」と言うように、条件がある地域に関しては条件がやや甘くなっている場所もあります。
昼夜における基準値の違い
また、時間帯によっても騒音に関する基準値は異なります。AAに類型された地域では、昼は50デシベル以下、夜は40デシベル以下となります。50デシベルと言ってもピンと来ないと思いますが、クーラーの始動時や室外機の音がだいたい50デシベルです。また、夜間の40デシベルは図書館程度の音を表します。
A・Bの場所では昼間が55デシベル以下、夜は45デシベル以下と定められています。昼間は50デシベルが室外機の音なので、それより少し大きな音までが許される基準値となっています。
C地点では昼間が60デシベル以下、夜が50デシベル以下です。60デシベルは普通の会話レベルの音なので、C地点の住宅の場合は室内にいても話し声が聞こえてくるような基準と言う事が分かります。
(ここでいう「昼間」は午前6時~午後10時、「夜」は午後10時~午前6時となっています。)
その他の基準値や条件について
上記の基準値は、住居内で影響を受けやすい面における騒音レベルの値なので、防音性能が高い住居に関しては、地域がどこであれ問題ないと言う事です。昨今の住宅は、防音性を売りにしているものも多く、基準値を大きく下回る静穏な住宅が数多く造られています。購入の際には、是非この騒音レベルについても検討する材料にしましょう。
以上が環境省公布の「騒音に係る環境基準について」のまとめになります。基準として定められている数値はどの程度なのかを理解した上で、住居の騒音レベルに関して考えてみましょう。
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