音の三要素とは

音の三要素とは、「音の大きさ」「音の高さ」「音の音色」から成り立っています。「音階」は学校で習った「ドレミ…」ですが、この音階を判別する以前に、音の三要素を認知し、「音」の性質を理解しましょう。ここでは、それぞれの特徴と要素を詳しくご説明したいと思います。

「音の大きさ」について


音の大きさは、通常は誰もが判別できるとても簡単な要素です。大きすぎると不快に感じますし、小さすぎると聞こえません。では、そもそも音の大きさは、どのように変化しているのでしょうか。
音は空気を伝わる「音波」によって伝わっています。音波は空気を振動させて広がり、その振動が大きければ大きいほど音が大きくなるのです。つまり、「音が大きい」=「空気の振動が大きい」と言うことです。
音の大小は空気によっても伝わり方が変わります。極端な話ですが、宇宙空間には空気がないので音は聞こえません。雨の日の空気と、晴れの日の空気も違うので、音の伝わり方が違って聞こえるのです。

「音の高さ」について


音には「高い」「低い」と言った違いがあります。これを定量化したものが、「ドレミ…」であらわされる音階です。
音の高低は、空気の振動幅によって違います。高い音は空気の揺れが細かく振動しています。反対に、低い音は空気の振動が広くなっています。この振動数をよく「周波数」と呼び、「Hz」と言う単位で1秒間にどれだけ揺れるのかを測定してあらわしているのです。

人間が判断できる周波数は、一般的に20Hz~20000Hzと言われています。モスキート音と呼ばれる非常に高い音は、この20000Hzに限りなく近い音です。非常に細かく空気を振動させて伝わっている音なので、聞こえる人と聞こえない人に差が出てくるのです。

「音の音色」について


最後に、「音色」と言う要素も音を構成する要素の一つです。
音の大きさや高さが一緒でも、ピアノとリコーダーの音が違うように、それぞれに音色を持っています。
この音色も周波数によってあらわすことができ、空気を伝わる振動の幅や回数などが一緒でも、同じ周波数にはなりません。音自体の波の形状が異なっているため、ピアノとリコーダーは同じ音にはならないのです。
楽器以外でも、音波の形状が違うので音色が違います。車のエンジン音と風の吹く音が違うように、音波の形状も違っているのです。
ただ、偶然によって何かに近い音が出来上がってしまう事もあります。この場合は2つの音波(空気の振動数やふり幅、形状)が似ているため、同じ音に聞こえてしまうのです。

なぜ、音の三要素と呼ばれているの?


そもそも、音を定量化すると言う事は、人間が音を分析して調整や変化させるためなのです。従って、五感でもある聴覚から入手できる情報が人間にとって重要だからです。人は音によって感動したりストレスを感じます。騒音に関する法律があるくらい、音には敏感な生き物なのです。
ただ、「音の三要素」として音を定量化しても、実際に人々に聞こえるのは、自然である「空気」を伝わって感じます。従って、人によって聞こえ方が違うし、空気の状態によっても左右されるのです。
そう考えると、音の三要素はとても主観的ですね。人によって感じ方が違うものを無理やり定量化しているので、万人に同じことが伝わるかと言えば、そうではないでしょう。しかし、人が敏感な音だからこそ、定量化して音を分析しなければならないのです。

音を構成する三要素について理解できたでしょうか。
音は生活に密着した欠かせない要素です。不快な音、心地いい音を分析することによって、生活をより豊かにすることができるのではないでしょうか。