どれくらい防げる？ 防音カーテンの効果
投稿日：2021.02.01
子どもがはしゃぐ声やペットの鳴き声、楽器やテレビの音などは、自分が思う以上に外に漏れていることがあります。「実は、近所の迷惑になっていないか気になっていた」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのようなときの対策として役立つものに、防音カーテンがあります。防音カーテンとは、そして効果のほどは？ わかりやすくお伝えします。
防音カーテンとは？
防音カーテンとは、文字通り「防音」、つまり騒音などの音を防ぐために仕立てられたカーテンです。一般的なカーテンとは異なり、使用する生地に防音のための特殊な加工が施したもので、厚手のドレープカーテンのほか、レースの防音カーテンもあります。
防音カーテンの種類
防音カーテンには、大きく分けると2つの種類があります。「遮音カーテン」と「吸音カーテン」です。
「遮音カーテン」は生地にコーティングなどの加工をし、音をはね返すことで防音効果をもたらすものです。室内の音に対しては反響が生じてしまうためあまり適さず、どちらかというと外から入ってくる音を防ぐ効果があります。
「吸音カーテン」は、生地に音を吸収させて防音するというもので、室内で発生する音に対して効果を発揮します。密に織られている布は音を吸収する効果が高く、その代表格が、体育館やホールのステージ袖にもよく利用されているベロアです。
防音カーテンの効果
ひと口に「騒音」といっても、高音から低音まで幅広い音がありますが、防音カーテンが強みを発揮するのは、中～高音域の音に対してです。中～高音域の音というのは、例えば女性の話し声、普通に視聴をしているテレビの音、子犬の鳴き声など。こういった音を外に漏らさないようにしたいのであれば、吸音タイプのカーテンを取りつけると効果的です。
なお、防音カーテンを取り付けることで、遮熱や遮光の効果が得られることもあります。音を遮断するための加工、音を吸収するための厚みのある生地での仕立てが、遮熱や遮光効果にもつながるからです。生地の選び方や仕立て方にもよって効果に違いはありますが、防音にプラスした効果が得られることもぜひ覚えておくとよいのではないでしょうか。
防音カーテンの効果を上げる方法
防音カーテンを取り付ければ一定の防音効果が得られますが、もうひと工夫すれば、さらに効果が高まります。その方法は次の通りです。
できるだけ窓より大きいカーテンにする
室内で発生する中～高音域の音は、空気を通して窓やドアの隙間から外に漏れていきます。防音カーテンを取り付けても、サイズが合っていなければ、窓のすきまを音が通過してしまうことに……。
ですからまずは、窓全体をすっぽり覆うことのできる大きなカーテンを取り付けることがカギとなります。カーテンの幅が窓枠より広めのものを選びましょう。長さも、掃き出し窓の場合は床面に対してぎりぎり、腰のあたりの窓の下部がくる腰窓の場合は、窓枠より10～15cmほど長いカーテンを選びます。
密閉度を高める
音空気を通して、ほんの小さな隙間からでも出ていってしまいます。そのため、できるだけカーテンと窓の間の隙間をなくす、つまり密閉度を高めて空気の通り道をなくすことが重要です。
例えば、押しピンやマジックテープを使ってカーテンを壁に固定することも方法のひとつ。カーテン上部の隙間は、フックの位置を調整して、できるだけカーテンレールに近い位置から吊るすようにするとよいでしょう。カーテンレールにカーテンボックスを取り付けるという方法もあります。
また、厚手のドレープとレースの防音カーテンを二重にしたときも密閉度は高まるので、検討してみてはいかがでしょうか。
他の防音グッズと併用する
防音カーテンと他の防音グッズを併用しても効果的です。
防音グッズとして市販されている吸音シートや吸音パネルを窓に取り付けたり、隙間テープで窓やドアの隙間をふさいだりという方法があります。
注意！ 防音カーテンでは外からの音は防げない
ここでひとつ気をつけたいことがあります。防音カーテンは、室内の音を外に漏らさないためには役立ちますが、すぐ近くの工事の騒音、電車の通過音などを防ぐ効果は期待ません。理由は、音の伝わり方にあります。
防音カーテンで防音できる中～高音域の音は、「空気伝播音」といって、空気を通して伝わる音です。ですから、カーテンを取り付けて空気を遮断したり吸収したりしてしまえば、音の動きはそこでストップし、音は伝わりにくくなります。
一方、近場で行われている工事の騒音など低音域の音は「固体伝播音」といって、床や壁などの振動とともに伝わってきます。建物の構造物を通して伝わってくるため、カーテンでは防ぐことができません。
はるか遠くから空気を通して聞こえてくるような工事音であれば、ある程度はカーテンで軽減することも可能ですが、基本的に防音カーテンは、室内の音に対して効果があるものだと考えておきましょう。
室内から音が漏れる音も防ぎたいし外から入る音も防ぎたいというときには、防音室の設置、あるいは防音リフォームがおすすめです。
「防音したいけれど、防音カーテンの効果ってどうなの？」と気になっている方は、お伝えした内容を参考に検討してみてください。防音したい音のタイプによっては、思い切って防音リフォームをしたほうが効果的というケースもあります。室内からの音の漏れに対処したいのか、外からの騒音に対処したいのか、目的をしっかりと見極めながら検討してみください。
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集合住宅や戸建住宅の防音室の工事に際しましては、様々な建築会社、デベロッパー様と連携を取らせていただいております。
