インコの鳴き声が響く!効果的な防音対策とは

インコは見た目や鳴き声が可愛らしく、小さなスペースでも飼育できるため、根強い人気のあるペットです。しかし、飼い主にとっては癒しの鳴き声も、他人にとっては耳障りな騒音になってしまい、特に近隣の住民とトラブルに発展することもありますので、飼い主はしっかりと防音対策をすることが重要です。
この記事では、インコの鳴き声への防音対策について説明します。

インコの鳴き声はうるさい?

インコの鳴き声には個体差があり、ほとんど鳴かないインコもいますが、人の話し声よりも大きな声で頻繁に鳴くインコもいます。

インコの鳴き声にはいくつかの種類があります。チッチ、クック、などのような日常的な「地鳴き」、飼い主に構ってほしい、寂しいときの「呼び鳴き」、餌がない、ケージの外に出たい、など何かを求めて鳴く「求め鳴き」、相手を威嚇するときや不快なときに発する「警戒鳴き」などです。このほかにも、人の言葉を覚えて話したり、歌をうたったりすることもあり、その声が隣室まで届き、騒音トラブルに発展することもあるようです。

インコの鳴き声への対策

それでは、インコの鳴き声にはどのような対策があるでしょうか。

ケージを防音カバー(アクリルケース)で覆う

数ミリの厚さの透明アクリル板でできた箱のような防音カバーで、すっぽりとインコのケージを覆います。通常のケージの上からかぶせるだけなので手軽に使え、かつ、防音と同時に保温や防塵の効果も期待できます。透明ケースのため、中のインコの様子もよくわかり、部屋の雰囲気も壊さないため人気のアイテムです。

厚みのあるアクリルケースのほうが防音効果は高まりますが、重くなるため手入れが大変になるというデメリットもありますので、扱いやすさも考えて選ぶと良いでしょう。

ただし、アクリルケースには空気穴が開いているため、いずれにしても完全な防音対策とまではいえません。小さな声のインコであればそれなりの効果は期待できますが、声の大きなインコの騒音は防ぎきれず、おおよそ防音の効果は2~3割減程度にとどまると考えておいたほうが良いでしょう。

また、どうしてもという時には、ケージやアクリルケースの上から遮音効果のある布をかけて暗くすることで、インコに夜が来た、と思わせて鳴きやむようにする方法もあります。この方法はインコにストレスを与えかねませんので、あくまで緊急対応と考えてください。

壁に吸音パネルや防音・遮音シートを貼る

壁を透過して漏れてしまう鳴き声については、壁の防音対策が効果的です。「遮音」と「吸音」を合わせて行うことが重要ですので、壁に遮音効果のあるシートやボードを貼った上で、フェルトやウレタンなどの柔らかい素材でできた吸音・防音のパネルやシートを重ねます。「遮音」効果で音を反射させ、「吸音」効果により音を吸収することで、壁を透過する音をできるだけ少なくすることができるのです。

窓を二重サッシにする

二重サッシとは、現在ある窓の内側に、もうひとつ窓を増設することです。「二重窓」や「内窓」と呼ばれることもあります。窓ガラスは本来防音性の低い建材であるため、音が漏れやすい箇所ですが、二重サッシにすることで室内の気密性が高まり、それによって防音効果を高めることができます。二重サッシは、専門業者に工事を依頼することが一般的です。

しつけする

インコの鳴き声の中でも、騒音となりやすいのは、飼い主に構ってもらいたくて鳴く「呼び鳴き」です。愛情表現ではありますが、インコに近寄って相手をしたり、逆に叱ったりするなど、何らかの反応をしてしまうと「鳴けば飼い主が来てくれる」と思い、呼び鳴きが増長される可能性があります。

そのため、呼び鳴きをはじめたら、完全に無視して鳴きやむまで放っておき、鳴きやんだらインコを褒めて食べ物を与えることで「静かにしたら、良いことがあると学習させる」というしつけの方法もあります。ただし、このしつけの効果は個体によって差があるようです。

もし長時間鳴きやまないときは、呼び鳴きではなく、求め鳴きをしている可能性もありますので、餌や水の残量、ケージの状態などを確認するか、放鳥してあげましょう。

防音工事をする

高い防音効果が得られる方法としては、部屋の壁・床・天井・窓などに本格的な防音工事を行うことがあげられます。全ての部屋に防音工事を行うことが難しい場合は、インコを飼う部屋のみを防音室にリフォームするというのもひとつの方法です。防音室には、オーダーメイドで造ることができるビルトインタイプや、組み立て式のユニットタイプもあります。

インコは本来、鳴くことが大好きで、喜怒哀楽を鳴き声で表現する感情豊かな動物です。その鳴き声がかなり大きい個体もおり、周囲にとっては深刻な騒音となりかねません。インコの鳴き声による近隣トラブルを防ぐためにも、しっかりと防音対策をしましょう。

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