ギター演奏者必見! ギターを演奏する際に行うべき防音対策

ギター演奏上達のためには、練習が欠かせません。しかし、防音対策をせずに自宅で練習をすると、音が響き、隣近所に迷惑がかかってしまいます。あまりにも音が大きいと、苦情が持ち込まれることも……。ギターに限りませんが、楽器演奏は、防音対策をしっかりして行くことがマナーでもあります。ギターではどのように対策をすればよいのか、見ていきましょう。

アコースティックギターの場合の防音対策

意外に思われるかもしれませんが、アコースティックギターは、かなり大きな音が出ます。そのため防音対策は必須といえますが、効果的な対策をするためにも、まずはアコースティックギターの音が鳴る仕組みについて確認しておきましょう。

アコースティックギターは、大きく分けると、「ネック」と呼ばれる棹(さお)の部分と、「ボディ」と呼ばれる胴体からできています。胴体の中は空洞になっていますが、中央にサウンドホールという穴があいていることが、エレキギターにはない特徴です。
ネックからボディにかけては6本の弦が張ってあります。この弦をつまびくと、ボディを形作っている木、空洞部分の空気に振動が伝わって共鳴が起こり、音が増幅してサウンドホールから出ていくというのが、アコースティックギターの仕組みです。つまり、サウンドホールから出る音量を下げること、できるだけ共鳴しないようにすることが、ギター本体に施せる防音対策です。

サウンドホールから出る音量を下げるために簡単にできるのは、ホールにカバーをとりつけてしまうことです。「サウンドホールカバー」などの名称で市販されていますし、値段もさほどかかりません。大きな効果が望めるというわけではないのですが、少しでも音量を下げたいというときには有効な手段です。

防音を目的に開発されたサイレントピックを使って演奏するという方法もあります。これを使えば音量は確実に下がることが実証されています。ただ、通常の固さのあるピックに比べると薄くてペラペラした感触であることが難点といえば難点。そのため、慣れるまでは弾きにくいかもしれませんし、弦全体をかき慣らすストロークの演奏はできますが、メロディーなど単音の演奏には向いていません。

消音グッズには、弦の振動を減らす対処ができるものもあります。ヘアクリップのように弦をはさむだけ。外側はプラスチックですが内側にスポンジが取り付けられていて、そのスポンジが弦の振動を吸収するという仕組みです。難点は、弦をつまびいたときの感触が変わってしまうこと。そのため、本格的な演奏ではなく、コードの押さえ方や演奏フォームの確認をするときに使うとよいでしょう。

エレキギターの場合の防音対策

エレキギターというと「爆音」というイメージですが、あの音はアンプを通したときの音です。アンプを通さなければ小さな音しか出ません。つまり、アンプを通さないことがエレキギターの防音対策のひとつでもあるのです。ただ、小さな音で演奏していたのでは雰囲気が出ませんし、イメージ通りに弾けているかどうかもつかみにくい面があります。アンプを通した音で演奏をしたい場合は、次のどちらかの対策をとりましょう。

アンプにヘッドホンをつなぐ

部屋にアンプがある場合は、アンプにヘッドホンをつなぎます。こうすれば周囲には音が漏れることはありません。ただし、大音量で長時間の演奏は耳を傷めかねませんので、ご注意ください。

ヘッドホンギターアンプを使用する

ヘッドホンとアンプを一体化させたギターアンプもあります。アンプがない、アンプのセッティングが面倒というときにおすすめです。こちらも、大音量で長時間の演奏にならないよう気をつけましょう。

大きな音で演奏したい場合には

演奏する音を素の状態でしっかり聴きたいという場合は、次の方法を検討してみてはいかがでしょうか。

演奏ができる教室を借りる

学校なら、演奏が可能な教室や音楽室を借りられないか尋ねて交渉してみましょう。街中にある音楽教室がレッスンに使用しているスタジオを貸し出してくれることもありますし、バンド練習で使えるレンタルスタジオという手段もあります。

カラオケボックスで演奏をする

カラオケボックスも、音を気にせず演奏できる場所です。楽器演奏に利用している人も多くいるので、近所にカラオケボックスがある場合は、検討してみてはいかがでしょうか。

ブースタイプの防音室を設置する

自宅にスペースがあるなら、ブースタイプの防音室を設置することも方法のひとつです。素材や性能、広さもさまざま。どのような防音室にするかで費用は変動しますが、簡単な組み立て式のものもあります。ただ、せっかく設置するのですから、ある程度はしっかりと防音できるもののほうがよいのではないでしょうか。ブースタイプの防音室を考えるのであれば、ネットなどの情報に惑わされず、防音専門の業者に相談してみてもよいでしょう。

一部屋を丸ごと防音リフォームする

一部屋を防音仕様にリフォームもできます。この方法が、防音対策としてはいちばん効果があるといってよいでしょう。生活の中でギター演奏の占める割合が多いという場合は、ぜひ検討してみてください。

自宅でギター演奏をする際は、ご紹介したようなかたちで防音対策をしましょう。自宅以外の場所でもよければレンタルスタジオなどの利用も可能ですし、自宅に防音室を設置してしまえば、部屋に入るだけで防音対策ができるのでとても便利です。近所迷惑にならないよう、いろいろな角度から検討してみてください。